「──そんなことない」



口から出たのは、芯を持ち凛とした声だった。



だって、この気持ちは、どんなものよりたしかで揺るぎなくて絶対的だから。



だから、そんな悲しいこと、どうか思わないでほしい。



「嫌だと思ったことなんて、一度もないよ。
同じ思い出を共有して、楓くんのこと多分だれより見てきた。
楓くんが隣にいてくれたから、私はたくさんの景色を見られた。
楓くんが私の心の一番近くにいてくれから、私はあんなに笑えた」



言葉を止め、そしてまた唇を開いた。



「楓くんと幼なじみだった私は間違いなく、だれよりも幸せ者だよ。
楓くんには、感謝してもしきれないくらい。
私の幼なじみになってくれて、隣にいてくれて、ありがとうって」