私の異変に気づいたらしい。 ゆっくりと顔をあげれば、さっきまでハヤシライスを食べていた楓くんが、こちらをまっすぐに見つめていた。 「そろそろ、片付けるか」 その声に、やっと我にかえる。 私ってば、ぼーっとしてた……。 慌てて笑顔を取り繕う。 「私片付けるから、楓くんは座ってていいよ」 「や、いい。俺もやる」 楓くんの声は、やっぱり固い。 どうしよう、私が変な反応しちゃったばっかりに、心配かけちゃったかな……。