「ウソ言うなッ‼︎」
有希ちゃんにそう言われ突き飛ばされる。
「きゃっ…!」
ドンッと尻餅をつく。尾てい骨あたりがジンジンと痛む。
いたぁ…と思っていると…。
「さっさと立ちなさい」
そう言って無理やり立たせられる。
あれ…声がこの3人の声じゃないっ…??それにこんな大人で落ち着いた言い方じゃないよね…?
「「「風上っ…!?」」」
慌てて振り返るとそこには本当に風上さんが立っていた。
「かざ…かみ…さん…!」
感動する私の後ろで3人は怒っていた。
「風上っ!いっつもいいところで邪魔しやがってぇ!なんで来るんだよ!」
「そうだよ!さっさと失せろ!」
姫路さんの高い声がトイレに響く。
「失せるのはあなたたちのほうじゃなくて?」
きっぱりとそう言われて黙り込む3人。
「Do you enjoy doing things like that ? 」
完璧な発音でさらりと言いのける風上さん。
意味がわからなくてポカーンとする私を含めた4人。
「ああ、ごめんなさい。イジメて遊んでる3バカにはわからないわね」
「意味は、〈あなたたちはそんなことをして楽しいのですか?〉よ。本当に…たのしいのかしら?」
バタバタと悔しそうに去っていく3人。
何も言い返せなかったみたい。
「風上さん…2度も助けてくれてありがとう…!」
すると、呆れたようにため息をつき。
「小宮さん…あなた、あの3バカにもっと言ってやればいいじゃない…。なぜそこまで言わないの?私ならガンガン言うわ」
うん…想像つきますよ…。
「私…強く言おうとするとすぐ感情的になって泣いちゃうんです。〝泣いちゃいけない〟って思えば思うほどそうなっちゃって…。ハハ…。」
誤魔化すようにちょっと笑うと
「お姉もそうだった」
そう私の目を見て言ってくれる。
「え…?」
お姉さんいるんだ、と驚く私。
「お姉もいじめられてたの。当時お姉は中学3年生だった。ちょうど受験シーズン真っ只中。そしてそんなある日だったわ。クラスのリーダーがね、成績が伸びない、なんて、個人的すぎる理由でお姉に目をつけた。お姉は学校でトップテンには必ずいて、トップレベルの高校の推薦ももらっていたの。だからだと思うけど…いじめ出した…。教科書を燃やされ、机には子供じみたラクガキ、掃除を大量に押し付けて塾に遅れさせる、ある日は、いじめた奴らが万引きをしたらお姉のせいにして、お姉が怒られる…。そんなことばかりで、先生からは、何をしているんだ。推薦、取り消しになるんだぞ!、なんて怒鳴られて。親には、受験生の自覚を持ちなさい!、なんて言われてた。お姉はもう身も心もボロボロになっていた。私はてっきり…受験シーズンで疲れてるなんて…勘違いしていた。小学生だった私は何も知らなかった…。…ある日の夜だった。私は夜中に目が覚めて、水を飲もうとキッチンに向かったわ。そしたらお姉がソファーに座ってた。私は、あれ?お姉も水を飲みにきたの?、と尋ねると…お姉はこういった、凛花…弱いお姉でごめんね…っ……許してね。お姉は凛花のこと大好きだから。そのこと忘れないでね。お父さんとお母さんにも大好きって伝えておいて…じゃあね…凛花…バイバイ……っ…凛花…、最初は弱々しく微笑んでいたけど最後は苦痛の笑顔にへと変わっていた。そしてそんな、お姉は外へ出ていってしまった。そしてその次の日だった…お姉の遺体が発見された。町で危険と言われていた…森の崖で…」
私は何も言えなかった。
風上さんの過去は衝撃的すぎて…。
家族が亡くなる気持ちはよくわかる。
悲しくて、悲しくて、涙ばかりが出る。
何も気持ちにならなくて、後悔ばかりが押し寄せる。
「…って…私は何を話しているのかしら。ごめんなさい」
私はわかった。
風上さんが私を助けてくれたのは〝自己満足〟じゃなくて〝お姉さんの仇〟じゃないのかな…そうだと思った。
有希ちゃんにそう言われ突き飛ばされる。
「きゃっ…!」
ドンッと尻餅をつく。尾てい骨あたりがジンジンと痛む。
いたぁ…と思っていると…。
「さっさと立ちなさい」
そう言って無理やり立たせられる。
あれ…声がこの3人の声じゃないっ…??それにこんな大人で落ち着いた言い方じゃないよね…?
「「「風上っ…!?」」」
慌てて振り返るとそこには本当に風上さんが立っていた。
「かざ…かみ…さん…!」
感動する私の後ろで3人は怒っていた。
「風上っ!いっつもいいところで邪魔しやがってぇ!なんで来るんだよ!」
「そうだよ!さっさと失せろ!」
姫路さんの高い声がトイレに響く。
「失せるのはあなたたちのほうじゃなくて?」
きっぱりとそう言われて黙り込む3人。
「Do you enjoy doing things like that ? 」
完璧な発音でさらりと言いのける風上さん。
意味がわからなくてポカーンとする私を含めた4人。
「ああ、ごめんなさい。イジメて遊んでる3バカにはわからないわね」
「意味は、〈あなたたちはそんなことをして楽しいのですか?〉よ。本当に…たのしいのかしら?」
バタバタと悔しそうに去っていく3人。
何も言い返せなかったみたい。
「風上さん…2度も助けてくれてありがとう…!」
すると、呆れたようにため息をつき。
「小宮さん…あなた、あの3バカにもっと言ってやればいいじゃない…。なぜそこまで言わないの?私ならガンガン言うわ」
うん…想像つきますよ…。
「私…強く言おうとするとすぐ感情的になって泣いちゃうんです。〝泣いちゃいけない〟って思えば思うほどそうなっちゃって…。ハハ…。」
誤魔化すようにちょっと笑うと
「お姉もそうだった」
そう私の目を見て言ってくれる。
「え…?」
お姉さんいるんだ、と驚く私。
「お姉もいじめられてたの。当時お姉は中学3年生だった。ちょうど受験シーズン真っ只中。そしてそんなある日だったわ。クラスのリーダーがね、成績が伸びない、なんて、個人的すぎる理由でお姉に目をつけた。お姉は学校でトップテンには必ずいて、トップレベルの高校の推薦ももらっていたの。だからだと思うけど…いじめ出した…。教科書を燃やされ、机には子供じみたラクガキ、掃除を大量に押し付けて塾に遅れさせる、ある日は、いじめた奴らが万引きをしたらお姉のせいにして、お姉が怒られる…。そんなことばかりで、先生からは、何をしているんだ。推薦、取り消しになるんだぞ!、なんて怒鳴られて。親には、受験生の自覚を持ちなさい!、なんて言われてた。お姉はもう身も心もボロボロになっていた。私はてっきり…受験シーズンで疲れてるなんて…勘違いしていた。小学生だった私は何も知らなかった…。…ある日の夜だった。私は夜中に目が覚めて、水を飲もうとキッチンに向かったわ。そしたらお姉がソファーに座ってた。私は、あれ?お姉も水を飲みにきたの?、と尋ねると…お姉はこういった、凛花…弱いお姉でごめんね…っ……許してね。お姉は凛花のこと大好きだから。そのこと忘れないでね。お父さんとお母さんにも大好きって伝えておいて…じゃあね…凛花…バイバイ……っ…凛花…、最初は弱々しく微笑んでいたけど最後は苦痛の笑顔にへと変わっていた。そしてそんな、お姉は外へ出ていってしまった。そしてその次の日だった…お姉の遺体が発見された。町で危険と言われていた…森の崖で…」
私は何も言えなかった。
風上さんの過去は衝撃的すぎて…。
家族が亡くなる気持ちはよくわかる。
悲しくて、悲しくて、涙ばかりが出る。
何も気持ちにならなくて、後悔ばかりが押し寄せる。
「…って…私は何を話しているのかしら。ごめんなさい」
私はわかった。
風上さんが私を助けてくれたのは〝自己満足〟じゃなくて〝お姉さんの仇〟じゃないのかな…そうだと思った。

