「おはよう」

教室について、近くにいた沢村さんに声をかける

「あ…お、おはよう…」

なんだかすごく困った様子だった。

どうしてだろう。

いつもこんなことはなく、おはよー、と明るく返してくれたのに。

すごくきになる。

「ねぇねぇ、有希のこと裏切ってたって本当なの?」

そう言って現れたのは女子のリーダー的存在の姫路さんだった。

「姫…路…さんっ?」

姫路さんは明るい茶色の髪の毛を巻いて、がっつりメイクでキツイような印象を与える。

私は苦手なタイプだ…。

「裏切ったって…?」

「自覚ないの?」

軽蔑するようにじろっと睨まれる。

でもそんなことでたじろぐよりも〝裏切った〟と言われ動揺する

「ねぇ、有希。そうだよね?」

「…そうだよ」

ちょうど有希ちゃんがきて、姫路さんが聞く。

「そうだよ」って…私裏切ってないよ!

まず、裏切りってなんのことなの?

「有希ちゃん?何言ってんの?」

「何言ってんのはコッチのセリフ。裏切り者」

〝裏切り者〟そう言われ、目頭が熱くなる。

でもここで泣いたらダメなきがする。

堪えろ、私。

「ね…有希ちゃん、裏切ったてどういうこと?」

「わかってないねぇ。有希、お仕置きしちゃおうか」

「そだね」

ニヤッと

有希ちゃんが笑う。

いつもの有希ちゃんじゃない。

正義感の強いカッコいい有希ちゃんは……どこ?