時間を戻して何度でもあなたの恋人に。

【有希side】

は?と言う顔をする叶翔。

そりゃそうだけど。

男勝りなの私には恋なんて似合わない。

そんなの知ってるよ

でも、私は叶翔が好きだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーお願いだから私のキモチ…届いて

「ごめん。俺好きな人いるから…」

と告げられる。

え。

冬華から聞いた時には、好きな人いないって。

どう言うこと?

「誰が好きなの?」

「言っちまってもいいのか?」

「いいよ!」

誰なの、そんな風に聞く相手なの?

「冬華」

と…冬華?

うそだ。

私は頭を鈍器で殴られたような感覚に陥った。

…悔しい、なんであたしが冬華にまけるのっ…?

「でもさぁ、冬華って呪われてんじゃない?おんなじ日に父親はなくなるわ、母親は失声症になるわ、叶翔は倒れるわ。危ないんじゃない?一緒にいたらもっと叶翔にも火の粉がーーーーーーーー」

そこまで言ってハッとした。

バカ、なに言ってんの。ここまでいうつもりじゃないのに…!

「ふーん、それがお前の本音なのか。だったら俺はお前を軽蔑するわ。お前、仮にも、〝親友〟なんだろう?だったら…そんな風に言うなよ」

冷たく、感情を押し殺したような声に言われ怖くなり病室を飛び出した。

ううん。怖くなったんじゃない。

恥ずかしかったんだ。親友に嫉妬して、あんなことを口走るなんて、情けない、そう思ったから。

でも、全くムシャクシャした感じはおさまらなかった。

これ…裏切られたのと…同じだよね?

そう思ったら、唇の端が、ニィッ、と天井へ向けつり上がった。