時間を戻して何度でもあなたの恋人に。

なんなんだろう。

ホントに意味わかんないっ。

「冬華!どうしたんだよ」

叶ちゃんに見つめられて。

きゅん、と心がそんな音を立てる。

…そっか。

今…わかってしまった。

私は叶ちゃんが好きだと言うこと

これが恋だと言う事

「有希ちゃんに…想い届くといいね。ガンバッ!」

私は笑顔を向けた。…つもりだけど笑えてるかな、無理やりの笑顔になってないかな。

私はそんなことを考えながら病室を飛び出してバスに乗り込んだ。

ーーーーーーーーーーー涙が溢れてくる。

公衆の全面で。

恥ずかしいなんて思う暇なく。

1人ずっと考えていた。

あーあ何言ってんだろ

馬鹿じゃん私

でも今更だよね

こんな時に。

だって…有希ちゃんを応援するって言って後にさ。

もう少し早ければ、

もう少し鈍感でなければ、

もう少し強かったら、

…よかった、よかったのに。

…恋って苦しいものなんだね

15歳の春。

恋の苦しさを初めて知った。

そして恋愛的な意味で私には春はーーーーーー来ない。


この恋ーーーーーーーー初恋は叶うことは無いと。