時間を戻して何度でもあなたの恋人に。

そして私が叶ちゃんの部屋のドアを開けるとそこには信じられないものが飛び込んで来た。

「かな…ちゃ…ん……?」

そう、叶ちゃんが倒れていた。

苦しそうにして。

女の子なら、まだ貧血とかで倒れたとかあるけど男の子が倒れてるってそんなにないと思った私。

それに女の子が貧血で倒れたとしても…こんなに苦しそうなのは…ない…。

怖くて、分からなくなった私は震える指で救急車を呼ぶ。

ーータッ、タッ、タッ…

あれ…救急車の番号って…あれ。

どうしよう!どうしよう!

私しかいないのに…!

どうしよう…。

早く助けなきゃ、救急車を呼ばなきゃいけない、そう思うと頭が真っ白になって動きが止まる。

「と…う………か」

叶ちゃんが私の名前を呼んでくれたおかげでハッとする。

ーーパンッ!

思いっきり自分の頰を叩く。

しっかりしろ。私。

ばかだ。こんな時にパニックになってどうすんの。

私しか…いない。

この家には…私と倒れた叶ちゃんしかいないんだ。

そう思うと、救急車の番号を思い出す。

そしてしばらくして、救急隊員のお兄さんたちが入ってきて叶ちゃんを運ぶ。

ーーーーーーー叶ちゃん、どうしたの?

いつも…元気だったのに…。