ーーガラガラッ!

ものすごい勢いでドアが開けられる。

「お義父様!」

驚いた、叶翔くんは、叫ぶ。

「東くん、どいてくれ!桃花、大丈夫か!」

真剣に…心配してくれているの…?

「は、はい」

こんなことは初めてだ。

「よかったぁ…!」

心底そんな風にいうお父様。

「お父様…会社は大丈夫なのですか…。私より会社の方が大事なのでは…!」

すると、顔を険しくさせたお父様。

「バカモン!娘の方が大事に決まっている!」

今…〝娘〟って…!

娘なんて言われたことなかったのに…!

「桃花。今まで済まなかった。仕事人間で、娘のことなんて成績しか見向きしないような父親で済まなかった。桃葉に言われて気がついた。情けない、父親で済まなかった。お詫びに願いを叶えてあげよう」

お父様が謝罪をした。

今まで、プライドの塊のような人だったのに。

謝った。

普通に〝良いお父様〟になった。

それが素直に嬉しかった。

「お父様…ありがとう…!」

そして…泣けて来た。

そして心の中で呟いた。

口では恥ずかしくて言えないけど。

〝大好き〟

と。