そして、昼放課。

嫌な時間になるまでの時間か過ぎるのは早い。

はあ、と心の中でため息をしながら、中庭に行く途中だった。

「岸、よくやったわ。これで、東くんから高星桃花を引きはがせるわ。もう、私の勝ちも同然ね。ふふふ…」

「お嬢様の頼みですからね。口付けくらい容易なことです。あの女も、弱そうですしね」

廊下で、佐川さんと岸くんが話していた。

…仕組まれていたの…?

「じゃあ、私は行きますわ。高星桃花を待たせてるから」

「そうですか。では、また作戦でも立てましょう。お嬢様」

…やっぱり…仕組まれていたんだわ。

いろんな感情が混ざってムシャクシャする。

いやそれだけじゃない…。

怒りでめまいがしてくる。

「中庭…行かなきゃ…!」

そう、使命感が生まれた気がした。