時間を戻して何度でもあなたの恋人に。

見ないで…!

お願いっ!

バレたくなくてぎゅっと目を瞑る。

「誰…お前」

そう言って近づいてきて私を見下ろしている人は叶翔くんじゃない。

「とにかく…大丈夫かよ…お前。…ブハッ。漫画みてぇ」

私の周りに散らばるスリッパに埋もれている私の姿に笑えてようで突然噴き出し、笑うひと。

…失礼ね…!

好きでこんなことやってんじゃないわよ!

あんなことさえなければ…こんなことないのに…!

いつもなら…あはは…と愛想笑いでやり過ごせるようなことも今日に限ってはイラつく対象にもなっていた。

「そういや、お前。名前、なんて言うんだよ」

…上から目線ねぇ。

本当にここの学校の生徒なの?一応、金持ちがくる学校で、礼儀正しい人ばっかりだけど。

そう疑ったけど、本当にここの制服を着ていた。

「…高星桃花ですけど」

「機嫌悪っ!ま、いいや。俺は、岸 めぐる!よろしく!」

…うわー、こういう人ってチャラっと生きてるタイプじゃん。

ほんと、無理。

「はぁ。」

ため息をついてスリッパを戻す。

戻しているうちに高いところが届かなくなってしまった。

「んっ…しょっ!」

ジャンプで届くかな、そう思ったけど届かない。

すると、私のスリッパが手から消え、岸くんが手にしていた。

「ここでいいんでしょ!」

「…ありがとうございます」

本当に、どっかいってほしい。

てか、声をとしてよ。

気づかれてしまうでしょう…。

悪いけど、邪魔だ。

「桃花?」

叶翔くんの声が響いた。

やっぱり…声…気付かれちゃったんだ。

どうしよう…会いたくない。

逃げたい。けど、岸くんが私に覆いかぶさるように立っているから逃げられない…!

「悪いね」

そんな声が聞こえた。