時間を戻して何度でもあなたの恋人に。

「っ…ごめ…泣かせるつもりじゃなくて…!」

慌てて振り返った叶翔くんの顔は真っ赤だった。

私が名前を呼んだだけで真っ赤になってくれるんだ、そう思ったら嬉しくなった。でも、それよりも嬉しかったのはショックで泣きそうになっていた声に気付いてくれたこと。私の声、行動をよく見ていてくれていると言うことで嬉しかった。

「ただ、なんか嬉しくて、にやけ止まんなくて、こっち見ないでって言っただけだから。ずっと〝冬華〟からは〝叶ちゃん〟だったからさ」

悔しい。

思い返すと、私ばっかりドキドキしまくりだったから…悔しい。叶翔くんは私よりやっぱり本当に大人だけあって、余裕ありすぎるよ。

よし…もっと、赤くさせてやる。

「叶翔くん!」

そう名前を呼んで制服の裾を思い切り引っ張り、背の低い私でもできるくらいによろけさせる。

ーーちゅっ

私の唇を叶翔くんの唇に押し当てる。

作戦成功☆

「しかえしっ」

そう言ってあっかんべーとする。

今思い返すとすごいことしたな…私。

「なっ…!」

さらに頬を赤らめる叶翔くん。

すると私の頭に手を当ててポンポンとする叶翔くん。

そういえばこの行動に〝懐かしい〟そう感じたのを覚えている。

前世があったおかげだよね、これ。

「困ったお嬢さんすぎるだろ」

そう言った叶翔くんは笑っていて、つられて私も笑った。