「これで、堂々と付き合えるかな…」

ポツリ、と独り言をこぼすと、東さんが私の手を握り笑った。

「俺は堂々と付き合ってもいいんだけど」

ーーきゅん

そんな音が胸から聞こえた。

「俺、桃花のこと大好きだよ?桃花は…?」

ジィッと私を見つめて言うもんだから恥ずかしくてうつむきそうになる。

もう!誘導尋問じゃん!

「大好きっ…!」

ああ〜もう、恥ずかしい!

きっと顔、真っ赤かだろうな…。

「じゃあさ。キスしてもいい?」

ーードキン、ドキン、ドキン、ドキン、ドキン、ドキン…

私の鼓動が東さんに聞こえちゃうんじゃないかな、そう思うくらいにドキドキしている。

「なんで…ですか?」

「それ聞くの?もう…可愛すぎるから」

もっと顔に熱を感じる。

もぉ、なんでそんなことサラッと言っちゃうかな!

きゅん死するよ…。

「じゃあ、キス、してください」

そう言い終わった瞬間に、重なる唇。

東さんの唇は、少しだけ乾燥していたけど、柔らかかった。

ーードキン、ドキン、ドキン、ドキン、ドキン、ドキン、ドキン…

まだドキドキしている。

「ママー!あのおねーちゃんと、おにーちゃんがちゅーしてる!」

「らぶらぶだー!」

「こ、こら!」

不意に子供の声が聞こえて振り返ると、保育園に通ってくるぐらいであろう女の子と男の子が私たちを指差して笑っていた。その子供たちに、軽く叱るお母さん。

そして思い出す。

そうだった。ここ…公園だった。

私たちは何を公共の場でしてるんだろう。

側から見たらただのイチャイチャ、バカップルにしか見えないであろう。

おまけにお父様にバレたら、エライコッチャだ。