天使からもらったのか…悪魔からもらったのかを気にしているんだ、と。

でも、私の場合は例外で、冬華さんからもらったから…大丈夫…なのかな。

まあ、願いを叶えて、そう言った本人…おまけに私の前世の人が危害を加えるとは思えないけど。

「冬華さんからもらいました」

「え…と…うか、から?」

すごく驚きを隠せていない東さん。

「だから、私の魔法を使って…高校生になってくれませんか…」

そんな無茶な、無謀な、そう思うかもしれないけど…こうじゃないと歳が近くなんて…なれないから。

「冬華からもらった魔法で俺が高校生になるんだよな?」

確認のためが私に問う東さん。

…やっぱりダメなのかな。

そんなことまでしてお前といたくねぇよ、なんて思われちゃうのかな。

「………………………………」

再び流れる静寂。

…この時間は東さんがどうするか考えてくれているのかな。

そうだったらいいんだけど。

怖くて、俯いてしまった。

「…いいよ。やろうぜ」

そう口を開いたのは東さんだった。

驚きでバッと顔を上げる。

「本当に…いいんですか…?」

だって、臨床心理士という仕事に就いたこともなかったことになるし…。

お願いをしておいてなんだけど…。

「いいに決まってんだろ!仕事とか、歳の差とか、考えながら付き合うくれえだったら、魔法で高校生になった方が丁度いい。それに、同じ学校…だろ?」

「はい。出来ればそうしていただくつもりです」

「その方が、一緒に入られて好都合」

なっ、と笑う東さん。

…なんてお優しい人なんだろう。

私と…〝冬華〟さんのためにここまでしてくれるんだ。

「じゃあ…お願いします」

さあ、高校生に戻そう。