時間を戻して何度でもあなたの恋人に。

『もうタイムリープはやめて。十分だよ』って。

そりゃ、俺は好きだった、大切な人だったから諦めないって言ったけどもうダメと言われた。

『鍵に魂を吸い取られるよ』って言って。

もう、かなり説得されて俺が折れて、最後にお願いをしたんだ。冬華に。

『キスしてくれ』

そう言ったら、恥ずかしそうに微笑んでキスしてくれた。

手を伸ばして、冬華に触れようとするとすり抜けてしまうけど、キスをしたら触れたような気がした。

最後に心の中でお礼を俺は言ったんだ。

『ありがとう』って。

それから、俺は大学を卒業した後に心理学部のある大学に入学して臨床心理士になったんだ。

理由は、なんとなくだけど。

どこかで。

声が聞こえた。

『優しい叶ちゃんにぴったりだね』

と。