お邪魔します、と一声だして、靴を揃える東さん。

そして、応接間に通される。

応接間なんてあったけ。

自分の家だけどそこまで把握はしていない。

「…そんなに歳の差があるのなら許さないぞ」

第一声がそれだった。

少しでも、許されるのかななんて期待した私が馬鹿だった。

「それぐらいなら自由にしてあげてもよろしいのでは…」

お姉様がポツリと言葉をこぼす。

その言葉に顔を歪めるお父様。

「うちは一般家庭とは違うんだぞ。世間体も気にせねばならん」

…そっちが優先なんだな…。

「じゃあ、同い年ならいいのですか?」

私はあることを思い出した。

「まあ、そこならいいだろう。諦めるのだな。愛は、所詮そんなものだったという話だな。ということだ。東さん。帰ってくれ、さよならだ」

冷たく言い放つお父様と悲しそうな顔をする東さん。

「いいえ。諦めません」

私には力があるから…。