ガチャっと扉を開けて家へと入る。

「ただいま」なんて言わない。「おかえり」と言う人なんて誰もいないから。

そのまま静かに重い足取りでリビングを通過しようとすると

「テストの結果は」

いつもより低い声でパソコンから目を離さずにだずねてくるお父様。そんな光景はいつもと変わらないけど…いつもより機嫌が悪い。

「これです」

静かな部屋に、キーボードをうつカチャカチャカチャという音だけが響いていた。

ドキドキドキとしながらテストの紙を見せる。