時間を戻して何度でもあなたの恋人に。

それから私の体にありえないほどの痛みが走る。

声にもならないほどのひどい痛み。

灰色のアスファルトに広がるおびただしい赤色。

すぐに意識が朦朧としている。

その時、朦朧とちゃいけない気がした。

「おぃ、女の人がーーーーぞ」

「きゅうーーしゃ」

靄がかかったように全く聞き取れない。

でもその中ではっきりと聞こえた。叶ちゃんの声。

「冬華…!またーーーーった。何度ーーーーて、だめなーーーかよーーーー」

叶ちゃん

叶ちゃん!

叶ちゃんっ!

私は死んでしまうの?

いやだよ…やだよ…!

私はーーーー叶ちゃんとの〝約束〟だってあるのに。

いやだ。〝約束〟なんて破りたくないーーーー。

そう思うと私目の横を通っていく暖かい涙と上から降ってくる冷たい涙。

暖かい涙は私の。冷たい涙はーーーーー誰のーーーー?なの?

嫌だ。嫌だ。死にたくない。

叶ちゃん…。

「あ…ぃが、と」

声がもう出ない…。

叶ちゃん、叶ちゃん、叶ちゃん…。

大好き…だよっ…。

そう思った時に。

ーーブツリッ。

〝プツリッ〟なんて生温い音じゃなくて〝ブツリッ〟という音がして、意識が途絶えてしまった。