時間を戻して何度でもあなたの恋人に。

あれ…ここどこだろう…。

そう思ったけど、夢の中っぽい。

自分が立っているところから、辺りを見回すと高速道路っぽかった。

なんでこんなところにいるんだろう、と1人で苦笑している時だった。

ーーパパーーーーーーーーーーーッ!

そんなけたましい、クラクションが少し先で鳴り響いた。

その時に嫌な予感がした私は、そちらの方へ駆け出した。

そして、そこはーーーー悲惨な事故現場となっていた。

普通の乗用車と大型トラックが接触したようで…おびただしいほどの血が広がっていて。

『大丈夫ですかッ!今すぐに救急車を!』

そう、必死に大型トラックの運転手と思われる人が男性と女性に呼びかけていた。

その男性と女性が誰なんだろうと思ってみようとするけど光の反射で2人とも見えない。

だけど、見えなくても

ーードクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン…

すごく心臓が嫌な音を立てていた。

私の体は〝嫌だ。見たくない。見ないほうがいい〟そう拒んでいるけど、私の好奇心は〝見たい〟と騒いでいた。


ーーがばっ

どうやら、夢から覚めたらしいけど…

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」

ーードクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン…

私の呼吸は荒く、心臓は嫌な音を立てている。

ーープルルルルルルルルル…プルルルルルルルルルルルルルル…!

「ひゃあっ!」

びっくりして変な声が出る。

慌てて受話器を取ると…電話の主は…。

「冬華ちゃん!おばあちゃんだよ」

大好きなおばあちゃんだった。

でも、話すのは久し振りで少しテンションアップする。

「おばあちゃん!どうしたの?」

私の明るめの声とは違って、焦っており緊迫していた。

「お、落ち着いてね…。お父さんとお母さんがーーーーーーーーーー」

私は急いで電話を「ごめん」といって切り、バックを持って制服のまま飛び出してしまった。