曖昧な君に振り回されてる



「お疲れ」

「お疲れ様です」

挨拶しちゃったよ・・・。夢でも見ているような気分になる。

バイトを始めたことによって、駅で挨拶が出来ちゃう仲になったんだな・・・。と、ひしひしと感じた。

帰りが一緒の電車になれたなんて、最高。

今まで、落ち込んでた分を取り戻せた気がする。

「・・・」

「・・・」

挨拶を交わして、その後の会話が出てこない。

何か話さなきゃ。でも、何を?

んー・・・。

自分の会話能力のなさに、これほど困る日が来るとは、思わなかった。

そんな中、先に口を開いたのは、神山さんだった。

「降りる駅、一緒だよね?」

クールかなって思ってたけど、意外と社交的なんだな。

しかも、仕事の時より、表情は柔らかくて愛想がいい。

「え?」

「朝、たまに、見かけたことがある」

嘘っ!私のこと知ってたの?

えっと、どう答えたほうがいい?

そうなんですよ!なんて言ったら、私も見ていたことがあるってことになっちゃうし、バイト先まで偶然だけど、見つけて入っただなんて本当のこと言ったら、私はストーカーだ。