「いいの?真依。明日から夏休みなんだよ?」
愛音ちゃんが真面目なトーンで言ってきた。
……知ってるよ、知ってる。
そんなこと、知ってる。
でももう無理じゃん。全部私が悪いもん。
今さらどうしろって……
「ちゃんと言いなよ、後悔するよ」
「もうすでに後悔してる」
「でも……」
私は莉緒の言葉を遮って席をまた立つ。
行くところなんて別にないけど、
今はもう一人でいたいし、
今吉田が帰ってきても困るし。
「ごめん、1回1人になってくる」
心配そうに見つめながら2人は頷いた。
私はそれを見てから、
教室を抜け、
トイレの個室に閉じこもった。
馬鹿みたい。
たかが吉田のことで。
あんな平凡のこと、こんなに好きになってるとかほんと、ばかみたい。

