こないだ平凡への恋心を自覚し、
こないだ頑張ろうって決めて、
こないだから必死に話してるというのに。
なんで今なの……っ。
「それで?どうするの?付き合うの?」
震えるかもしれないと思って出した声は
案外全然普通で。
むしろ低くて冷たい声だった。
「んー……どうしようかなって思ってる」
頭を抱えた吉田。
あれ、好きなら普通OKするよねすんなり!?
頭を抱えるってことはもしかして……!
「付き合うのはいいんだけど、何か頭に引っかかるんだよな。なんでだろ」
「付き合うのはいいんだ?」
「まあ断る理由もないからな」
……断る理由、ない、って。
ここで私の中で何かがプツンと切れた。
「じゃあ付き合えばいいんじゃん?お似合いだと思うよ」
本当はこんなこと言いたいんじゃない。
「ん〜、どうしよう返事。俺こういうの慣れてないからさ」
「平凡だもんね、告白されることもないわけだし。だからこそOKするべきだと思うよ」
……違う。違う。
してほしくない、OKだなんて。

