「え、そんな金魚みたいな顔してどうしたの」
……もはや一応の好きな人に向ける言葉ではない。
私の的確なツッコミである。
「金魚ってなんだよ」
「いや、なんかパクパクしながら驚いてて平凡だなーって思って」
「意味わかんねー」
意味わかんなくていいんだけどさ、
なんで驚いてたの?
白石が祭り行くんだ、キモ。みたいな!?
もしかしてそういう…………
「俺の質問に答えてくれてからびっくりしただけ」
そう言うと、どこが恥ずかしいのか分からないけど、
吉田はそのまま顔を赤らめて顔を伏せた。
「いや吉田!私いつもちゃんと答えてるじゃん!」
「いや、いつも教えてくれない」
「……それはごめんだけど!でも今は私、吉田のこと……」
思わず熱弁しそうになって机を立った時。
「吉田くん!ちょっといいー??」
奴の声が……。奴が……吉田を呼んだ。

