屋上は涼しくて、誰も人はいなかった。
「ほら、泣きたいように泣きなよ」
優しく笑って私の背中をぽんぽんとしてくれる。
なんで……。
なんでこんなに優しくしてくれるの?
私、廉くん振っちゃったのに。
廉くんの想い、無駄にしちゃったっていうのに。
「廉くんは、なんで私に優しくしてくれるの…?」
「え?」
「だって、私廉くんのこと振っちゃったし、避けられて当然だと思ってたのに…」
すると廉くんはまた柔らかく笑った。
「言ったでしょ?真依ちゃんの恋応援するって」
……それは観覧車で私が廉くんを振っちゃったあとに、廉くんが私にかけた言葉。
「俺は、好きな人に笑っててほしいからさ」
その言葉に、涙腺はついに崩壊した。

