「真面目に。璃那はあの事故の日に、わたしという、トキくんとの記憶を持ったままの人格を切り離したんだ。わたしが表に出ていられるのは、ひと月に一度。十六夜月が空にある間だけ」
「《 なっ…… ! 》」
それは、あまりにも衝撃的な告白だった。
アルテが、蒼依の膝から璃那の肩に飛び移った。
《 何言ってやがる? 『璃那は』って、アンタが璃那なんだろ? 》
「うん。まあアルテとは初対面だし、違いはわからないかもね。でも」
アルテを両手でつかんで、自分と対面させ、そこまで言って言葉を切る。そして、アルテを俺に向けるように持ち直し、璃那自身も俺を見つめ、
「トキくんは気づいたんだよね?」
なぜか嬉しそうに、笑顔で言った。
「まあ……雰囲気の違いでなんとなく。けど、そういうことなら確かに、簡単には信じられないよ」
「そりゃそうよね。あたしも、最初はそうだったもの」
蒼依がそう言いながら、うんうんと二つうなずく。
「私も。てっきり演技だと思ってたの」
そうだった。思ってた。二人の言葉はどちらも過去形だ。ということは、二人は知っていたのか?
そう思ったそのとき、蒼依の視線が俺を刺した。
「トキ。アンタ気づいてた?」
「何を」



