「そうね。けど――兎季矢くんはどう思うの?」
「演技ではない……とは思っています。ただ、璃那本人だとも思えないんです」
「それはどうして?」
そう訊いたのは蒼依。
「明確な理由はない。ただ、プライベートまで演技する理由も意味もないだろ。あとは……まとってる雰囲気が璃那と違う……ような気がするんだ」
《 後半、はっきりしねえ答えだな 》
「明確な理由はないって言ったろ。感覚的なものでしかないし、仮に別人だったとして、じゃあ誰なんだ? って話だ」
《 もうひとりのリナ、って線はどうだ? 》
「もうひとりの璃那? 根拠は何だ?」
《 ミヤコなら、チカラでパラレルワールドか過去からその世界のリナを召喚することが―― 》
「みゃーこ先生が異世界から召喚した。ハイ消えた♪」
アルテの推測をさえぎって、悠紀が仮想の机にそうするように、中空を叩いた。しかし、どこか楽しげなのはなぜだろう。
《 ダメか? 》
「残念ながら、みゃーこ先生にそこまでの能力は無いのよ」
《 そうか。俺様を召喚するのとはワケが違うか…… 》
「もし可能だったとしても、タイムパラドックスとか、色々面倒だ。都さんがそんな手段を選ぶ可能性は薄い」
《 それもそうか 》



