「そうなんだ。じゃあこれも知らない? 兎季矢くんの入院中の一件に、みゃーこ先生も一枚かんでたってことは?」
「そうだったんですかっっ?!」

さらに驚いた。

当時の俺は手術を受けるのをしばらく嫌がっていた。

そんな最中に璃那と出逢い、惹かれ、璃那と会うために都の助けを借りたこともあった。

そうしていくうちに俺は心変わりし、手術を受けることを決意した。

しかしその日。すべては璃那の家族によってそうなるように仕組まれた計画だったのだと、璃那の口から告げられたのだ。

その計画に、実は都さんも絡んでいたなんて。

「そっか。知らなかったのね……バラしちゃまずかったかしら……でもまあ、もう時効よね、さすがに」

意外そうな顔から、気まずそうな顔をして、開き直った顔へ。傍目にはどの表情も全部にっこり笑顔にしか見えない人。それが他人の目から見た悠紀。

それでもさすがに一年も一緒にいると。それぞれの表情に微妙な変化があることに気づけるものだ。場違いと知りつつも、変に感心してしまった。

いやいや。そんなことよりこれを訊かねば。

「都さんが、あの件にどう絡んでたっていうんですか?」
「依頼者だったのよ。兎季矢くんに何としても手術を受けさせたいから助けを借りたいって」