俺の返答を半ば無視しての白々しい棒読みゼリフに呆れながらそこを見ると。マジックペンほどの太さのペンライトが光っていた。
ちなみに、正確にはそこはポケットではなく都の胸元(もっと言えば、わざわざはだけさせた胸の谷間)だったので、すぐに体ごと目を背(そむ)けた。
「……とりあえず、その光る石の付いた棒で、いま手に持ってるだろう謎のものを照らしてください」
「照れてる照れてる」
「…………」
図星だったが、それでかえって機嫌を損ねた俺は、背中越しに嫌味を言ってやった。
「……年端(としは)もいかない子供をオトナの冗談で翻弄(ほんろう)するのが、ほんとの用件ですか?」
「精神的に年端もいかない子供は、そんな小憎(こにく)らしいこと言わないんだけどなー」
「すみませんね、子供らしくなくて」
「ううん、それはいいんだよ。それがときや君らしさなんだろうからね」
「…………」
俺は目を見張った。誰かからそんなふうに言われたのは、それが二度目だった。
「でもごめんね。謝るから機嫌直して、これ見て?」
もう一度聞こえた擦れ合う金属音に体ごと振り返ると、今度はしっかり懐中電灯で照らしてくれていたので、はっきりと見てとれた。
「それは……鍵の束?」
「そう。ときや君、趣味が星見なんだよね? だったらこの時間に、それをするってのはどう?」



