そうして。璃那がこの日何度目かの〝モメトラ〟で俺たちを呼び寄せると。

「じゃあ、本題に入ろうか」

悠紀が高らかに宣言するように、告げた。

口火を切ったのは悠紀の問いと俺の返答だった。

「まず兎季矢くんに確認。昨夜の電話で言ってたこと、本当なの?」

「はい、嘘でも冗談でもありません。お陰さまで、二年前に失った記憶は完全に取り戻しました」