《 なぜかは知らんが、お前らが話始めるとリナはその場から距離をとって、しばらく黙ってたんだよ 》

ほんの一瞬で居場所が移って相当混乱したのか、アルテは訊いてもいないのに、俺が蒼依たちと話していた間に璃那が何をしていたのかを勝手に説明してくれた。

しかしなるほど、それでしばらく璃那やアルテが割り込んで来なかったのか。

《 なのにいきなり『ちょっとごめんよ、アルテ』って言われて何かと思ったら――一体なにがどうなったんだ? 》

「見ての通りだ。璃那が〝モメトラ〟を使ったんだよ」

そうして自分と俺の位置を入れ替えて、同時に、アルテを鳥かごの中に転移させた。

「――というわけだ」

《 てことは何か? いまの一瞬でリナは、三か所の転移をいっぺんにやってのけたのか? 》

「そういうことだな」

《 スゲーな、お前ら 》

「お前ら? 俺もか?」

《 そりゃそうだろう。〝モメトラ〟で三つのことをいっぺんにやってのけたリナもスゲーが、鳥かごの中に移った俺様が浮いたままでいるのはお前のチカラのおかげだろ? こんな真似は、予め転移先を察知出来てなきゃ無理だろうよ 》

「……ふむ」