むーんりっと・りゆにおん(仮)



「ええそうよ。そういうところは察しがいいのね」

「マジか」

「バリ本気(マジ)」

悠紀と蒼依の得意分野はコンピュータ関係だ。

悠紀はコンピュータグラフィックデザインに、蒼依はプログラミングに、それぞれ長けている。

加えて、二人ともSE――システムエンジニアの資格を持っているので、トラブルが生じたとしても、よっぽどのことでない限りは自分たちで対処出来てしまう。

しかし、だからといってゲームを開発出来るかというと、そう簡単ではないのは俺でもわかる。

「無茶もいいとこよね。今日日(きょうび)、新米ブランドの美少女系のゲームなんて、作ったところで簡単に売れるわけがないでしょ?」

「えー。そんなことないでしょう? ねえ兎季矢くん?」

「いえ、悠紀姉には申し訳ないですけど、それは蒼依が正しいと思います」

「えー? ずるいなあ、外見がルナに似てるからって、蒼依ちゃんの肩持つんだねー。兎季矢くんのいけずー」

「なっ! そ、それとこれとは別ですよ!」

「…………」

思わぬところにツッコミが入って焦った。

蒼依はなぜか無言。

見ると、目を細めて沈黙している。

いつもとは別の意味で表情が読めない珍しいリアクションだ。