ルナと初めて出逢ったその日は、小学三年の初夏。
当時、俺は旭川の医大――医科大学付属病院に入院していた。
病を患(わずら)っていたわけではない。
しかしある疾患(しっかん)があって、手術は絶対に必要で。
そのためには、田舎の町立病院や隣の市の総合病院よりも大きく、設備も整っている医大に入院しなければならなかった。
小児科病棟もあり、同年代の入院患者もいたが、当時の俺は地味を通り越して暗く沈んだ性格で、社交性が極端に乏しかったため、その子たちと同室になることを頑として拒んで個室に入れてもらい、一緒に遊ぼうともしなかった。
検査以外で自分の意思で個室から出るのが唯一、夜空を眺めることだった。
俺は『星見』と呼んでいたが、性格的に光の乏しかった俺は、空に浮かび瞬く光を観るのが好きだった。
入院中に星見をするのに最適なその場所が、本来ならば関係者以外立ち入ることの出来ない、病棟の屋上だった。
このときはまだ、なぜルナがここまで積極的に俺に関わろうとしていたのかも、実はこの出逢い自体、複数の人間によって仕組まれたものだったなんてことも。
知る由もなかった。



