これは余談で、後日、悠紀から聞いた話だが。

俺が蒼依に殺されかけたとき、アルテと悠紀はこんな会話をしていたんだそうだ。

《 ひどい言われようだな 》

「そうね。でも蒼依ちゃんからしたら、自分の気持ちを知っていながらあんなのを見せつけられたんだもの、無理もないわよ」

《 ……ほほぉう。それは、いいことを聞いた 》

「あ、意地の悪い顔してる。可愛いけど、ちょっとコワい」


「――蒼依ちゃんの感情の動きってわかりやすいし、てっきりアルテちゃんもとっくに気づいてると思って言っちゃったんだけど、違ったみたい。知った途端になんか企んだみたいだったけど。まずかったかしら?」

そういうことは、もっと早く教えて欲しい。

「もう手遅れです」

かくして俺は、悠紀からこのことを知らされる前後数日の間、それをネタにアルテからしつこくからかわれたのだが。

それはまた、別の話である。