「まあ、かなり久しぶりの感触だろうし、好きなだけ味わっていても、私は構わないけどね」
《 正直、見てるだけで熱くてかなわん 》
「っ!」
微笑む悠紀と意地の悪い笑みを浮かべるアルテの言葉で、自分の態勢と蒼依が不機嫌なワケに気づいた俺は、顔の表面温度を急激に上下させて、慌ててルナの体を自分から離した。
《 リトマス試験紙みたいだな 》
「懐かしい単語だわ。小学校の理科の実験以来ね」
顔色を一気に朱に染めてから同じ勢いで蒼白へと変化させたであろう俺を見て、呑気にそんな会話を交わすアルテと悠紀をよそに、蒼依が無言で指を鳴らす。
すると次の瞬間、ルナと彼女のワンス・ウィングがどこかへ転移された。
「そ」
その結果。
「そうきたかあああぁぁぁぁぁぁぁ――――――――っ!」
ルナの体を強く突いて離した反動で後ろに倒れるような態勢だった俺は、そのままの格好で地上へ落下していった。
悪い予感と予想のさらに上をゆく仕打ちを受けて、チカラを使う余裕などあるはずもなかった。
あと一秒で、丘の上に墜落する――っ!
まさに間一髪。そんなスレスレのところで、文字通り自分の箒にすくわれた。
蒼依の気持ちはわからないでもない。それに、蒼依が操る箒の柄先に引っかかった宙ぶらりんな格好で言っても無様なだけだろう。だがそれでも、言わずにはいられなかった。
こ……
《殺す気かっ!》
《むしろ死ね。ていうか死んでしまえ》



