ルナの体重プラス重力で傾いたワンス・ウィングをすぐにチカラで水平に戻した、その直後。
「――タイムオーバーよ」
目の前に悠紀たちが現れて、蒼依が告げた。
「制限時間がきて、それと同時に気を失ったのよ。正確に言うと、ルナ姉さんの意識が眠ったの」
「タイムオーバー? でもまだ月は――」
月はいつの間にか、空に溶けて消えてしまっていた。
「リミットは月没時間じゃなかったってこと」
「それと、チカラを使い過ぎてリミットが早まったのもあるわ」
《 ただでさえ〝モメトラ〟はチカラの消耗が激しいんだそうだ。ルナは今夜、それを多用していた。となれば、当然の結果だよな 》
俺の誤解を解く蒼依の説明に、悠紀とアルテが続いた。
「そっか……」
とりあえず大事ないことがわかって、内心、胸を撫で下ろした。
「それはそうと」
「ん? なんだ、まだ何かあるのか?」
「そうじゃなくて。いつまでそうやってるつもり?」
「?」
蒼依の言葉には、明らかにトゲがあった。珍しいことに、不機嫌さをあらわにし、隠そうともしていない。しかし俺には、きつく目を閉じて短く嘆息した蒼依が何を指してそう言ってるのか、まるでわからない。



