しかもその直後、アルテにとどめを刺された。

《 念のために言っておくが、三姉妹だけじゃねえからな? 》
「ああ。そうなんだろうな」

おそらくは都さんも、同じ気持ちなのだろう。事実がわからなければ、誰の考えも推測の域を出られないから。――なんて理屈っぽい理由はきっと、ばかな男の屁理屈なんだろうな。

《 それがわかってるなら、このあとお前がどうしなきゃいけないかもわかってるよな? 》
「ああ」

璃那は、相手に何かしてもらうにはまず自分から行動を起こさねばならないと考えるタイプだ。別人格といっても、ルナと璃那の違いは俺との記憶を持っているかいないかだけで、性格や思考に違いはないのだろう。

実際、俺に真意を問うより先に、自分の真意を明らかにしてくれた。

対して俺は、相手が何かしてくれたらその分を、それ以上を返さないとならないと考えるタイプだ。

それに元より、すべて明かすつもりで、ここに来たのだ。

俺は、区切りをつけるようにひとつ息を吐いて、語り始めた。

「……『君は幸せに出来るのか?』って言われたんだよ」
《 誰にだよ 》
「佐藤風貴(かざたか)。璃那たちの親父さんに」