むーんりっと・りゆにおん(仮)



「待ってよ。自作自演はその通りだけど、命なんて懸けてないよ?」
《 ほぉう。じゃあ訊くが、もしトキヤが助けに入らなかったら、どうする気だったんだ? 》
「そんなこと、考えもしなかったよ」
《 なんだと? 》
「だって。

ああいう危機的な状況で、
トキくんがわたしを、
璃那を助けようとしないわけがない

もの」
「…………」

しばらく蒼依の通訳に徹していると、とんでもなく恥ずかしいセリフが耳に飛び込んできて、一瞬頭ん中が真っ白になった。

我を取り戻してアルテに目をやると、意味ありげ目を細めたヤツの視線とぶつかった。

《 …………ほほぉう 》
「なんだよ、その妙な反応は」
《 いやなに。計算づくとはいえ、あんなまっすぐなセリフを聞いちまったら、今度はそこまで自分を信じてくれていた女を振っちまった奴の行動がばかげてるように思えたもんでな 》
「そうかよ」

けどまあ、そうなるわな。

《 ああ。それにこの麻宮三姉妹は、そのばかげた行動の理由が知りたくてこの場を設けて、ここにいるんだしな。――そうなんだろ?》
「うんうん♪」
「まあね」
「その通りよ」
「……むう」

三者三様に同意を示されてはもう、唸(うな)るしかなかった。