「はいじゃあ前回の続きから読んでもらう。今日は13日だから中川。36ページから読んでくれ」

先生に名指しされた中川くんから教科書の音読が始まった。
4時限目、現代文の授業。
お昼休みのひとつ手前の、一番お腹の空く時間。
つまらないから私は好きじゃなかった。

窓側の後ろから2番目の席の私は、この時間はだいたい窓の外を眺めていた。

今日はいい天気だな。

そんなことを考えながらぼーっとする。
ちらっと前の席を見ると、昴が同じように窓の外を眺めていた。

昴の視線の先をたどると、違うクラスがグラウンドで体育の授業をしていた。
その中には寧々ちゃんの姿もある。

私と昴は同じクラス、寧々ちゃんは違うクラスだ。
双子はだいたいクラスを分けられるので、寧々ちゃんとはずっと同じクラスになったことはなかった。

あ。

体育でテニスをしている寧々ちゃんが、ラケットを振るも飛んできたボールを空振りする。
寧々ちゃんはスポーツ苦手だからな。

そんな寧々ちゃんの姿を見て、昴はふきだして笑っている。