「いや、泊まりになんていけないよ! お母さんいるでしょ??」
「親は社内旅行だからいない。舞も相沢と遊びたがってるし……テスト終わったご褒美に遊ぼ!」
舞ちゃんの名前出すとかズルい!
遊びに行かないワケにはいかないじゃん!!
だけど、これだけは言っとかなければ!!
「寝るのは別々だからね?? 私、舞ちゃんと寝るからね??」
私なんかに何もするワケないとは分かっているけど、男子の家にお泊まりなんて初めてだし。桐谷くんと言えど、若干怖い。
「………分かってるよ。じゃあ、今から行くから家で待ってろな」
本当にいつも強引だな、桐谷くん。
でも、やっぱりなんだかんだ
迎えにきてくれる所は優しい。
親に弥生の家に泊まりに行くと嘘をつき、桐谷くんを待つ間にお風呂も入ってしまう。
そして……
『着いた!』
LINEがきて、2階から外を見ると
桐谷くんが笑顔で手を振ってくれていた。
……何あれ、かわいい。



