違うのに、もっと違う言い方をしたいのに。
弥生を安心させたいのに涙が止まらない。
「え? 私のがお似合いって何? 何言ってんの??」
「だ、だって、弥生……桐谷くんの事、好きなんでしょ?」
”好き”と言われたらどうしようと思っていたのに、認めてくれたら、モヤモヤも取れるんじゃないかと思ってる自分がいた。
「うーん、あんなイケメン嫌いな人なんていないと思う。桃花羨ましいって思った事もあったけど、特別桐谷くんが好きってわけじゃないし、あの人は桃花しかムリだよ?」
「わ、私しかムリって何で??」
「うーん、上手く言えないけど、あんな楽しそうな桐谷くん見たことないじゃん! それに、桐谷くんは桃花しか見てないよ」
そ、そんな事ない。
私しか見てないことはないと思う。
だって、私みたいな人どこでもいるし、全然いいとこないし……
「とにかく! 何を勘違いしてるのか知らないけど、私は桐谷くんとどうこうなりたいって思ってないし、桃花は自分の気持ちに正直になりな?」



