「何? ″いずれ別れるんでしょ? それに桐谷くんはどうせ私に触れられないんでしょ?”って言いたいの??」
え!? 違……わない事もないけど。
前半は合ってるけど、後半とか全く全然思ってない!
というか、皆注目してるのにそんな会話やめて!! と思うのに、ムスッとふて腐れてる桐谷くんが怖い。
怖くて、桐谷くんに何も言い返せないでいると、
「どーせ俺、何もできないチキンだし!
でもそれは相手に魅力を感じなかったからって言ったじゃん!! 相沢ならって思ってるのに!!」
ちょっ………!!!
何、自分で丁寧に経験ない事暴露してんの!!
あれだけ”絶対言うな”って言ってたやんけ。自暴自棄にもほどあるよ!!
真っ先に私達の会話に食いついてきたのは、
「えっ、桐谷ってキスした事もないの??」
やっぱり”飯うま”の矢神くんだった。
「ねーよ。誰にでもできちゃうほど、そんな軽くない!!」
えっ、
桐谷くん、キスした事ないんだ。
――じゃなくて!!
もう、その話はイイってば!!



