1階の美術室に着くなり、『今日は美術部員は外でスケッチするんだって』と、いらない情報を俺に伝える。
「………で、洸平は何を聞きたいの??」
美術室のイスに座って俺に質問してきた。
………俺が今から聞こうであろう事は、もう分かってるはずなのに。何も知らないフリしやがって………
「相沢の事だって。相沢の好きだったヤツの事について教えろよ」
聞きたい事が色々ありすぎて頭がまとまらない。それに、俺より相沢の事を知ってる雪にもイライラする。
完全に八つ当たりだ。
「あぁ………由弦のこと??」
いや、知らねぇけど。
と、突っ込みたい気持ちをぐっと堪える。
相沢の好きだったヤツ、由弦って言うのか。



