もう後悔なんてしたくない。
佐伯くんと話したら、ちゃんと桐谷くんに自分の気持ちを伝えよう。
例え桐谷くんが私の事何とも思ってなくても。もう、佐伯くんの時みたいに好きの見返りなんて求めない。
もう、勝手に自惚れない。
”付き合えて当たり前”なんて思わない。
「さぁて! あ、アイス買ってたのに溶けちゃった」
雪くんの水状になったアイスの袋を見て、桐谷くんと同時に思わず笑いがこぼれた。
たった二週間で大嫌いだった人を好きになるなんて、本当に単純な女だと思われるかもしれないけど……
桐谷くんが好きにさせるような事ばっかり言うから、全部全部、桐谷くんのせいだよ。
でも、私は桐谷くんがカッコイイから好きになったんじゃない。
それだけは自信をもって言える。



