雪くんは『その続きはね……』と柔らかく笑ったまま、
「由弦はね、ずっと桃花ちゃんの事が好きだったんだよ」
あり得ない事を言い出した。
な、なんで………!?
いくらなんでも『そうなんだ』と到底
受け入れられる事じゃなかった……
佐伯くんが私を好き?
「な、何言ってるの。だって私を賭けの対象に……」
『冗談が過ぎるよ雪くん』と言おうとしたが、雪くんの目は真剣そのもので、そんな事を言える雰囲気じゃなかった。
「最初はそうだったかもしれない。だけどね、桃花ちゃんといる事によって、由弦も桃花ちゃんの事が好きになっていったんだよ。私がさっきベンチに座ってした話覚えてる?」
………ベンチに座ってした話。
雪くんの友達の話……
ま、まさか、それが佐伯くんだっていうの??
「過去に恋愛で後悔した友達がいる話。あれ由弦の話なんだ」
…………そんな事言われたって。
信じられるワケがない。
だって私の目の前で友達は私をバカにして、佐伯くんにお金を渡してた。
確かに私に何かを言いたそうだったけど。
佐伯くんが私を好きだったなんて………
何度聞いても信じられないよ………



