「洸平の所へ帰ろうか」
「うん………」
そっと立ち上がり、ボロボロ泣く私の手をギュッと握って、私のペースでゆっくり歩いてくれる雪くん。
――だから、雪くんに全部吐き出したいと思った。
「雪くん、佐伯くんの事、聞いてくれる?」
「うん」
私はゆっくり、言葉に詰まりながら
雪くんに全部を打ち明けた。
途中何を言ってるのか分からなくなった所もあったけど、それでも雪くんは真剣に私の話を聞いてくれた。
話し終わると、
雪くんは悲しそうな目で前を見つめていた。
そして、
「その話に続きがあるとしたら、聞きたい??」
『辛かったね』と声をかけてくれるワケでもなく、予想外な質問をされ、思わず言葉を失う。
続き………??
きっと、雪くんは佐伯くんから何か聞いてるんだ……
私が知らない何かを知ってるんだ………



