佐伯くんはある日突然 桐谷くんのように私に近づいてきた。 それから毎日のように一緒にいた。 休み時間、昼休み、帰りも一緒に帰ったりした。 優しくて、楽しくて、一緒にいて凄く楽で。 本当に本当に幸せだった。 だから佐伯くんを好きになる事に時間はかからなかった。 佐伯くんは結構モテるから、焦りもあって私から″好き″と伝えた。 ――でも、佐伯くんは違った。 私と同じ気持ちじゃなかった。