「………桑野。えっ、相沢と桑野って知り合い??」
佐伯くんは私と雪くんをキョロキョロ見るなり、焦ったように問いかけてきた。
「知り合いっていうか友達??」
雪くんは”ねー??”と嬉しいことを言ってくれているけど、それ所じゃない。
………もうここから出たい。
ここにいたくない。佐伯くんと話したくない。
このまま佐伯くんと一緒にいたら、あの時の事をイヤでも思い出してしまう。
そっと佐伯くんから離れた瞬間、
「相沢、待って!! 俺、言わなきゃいけないことがあるんだ!」
腕を強く引っ張ってきた。
――痛い!! イヤだ、離して!!
「私は佐伯くんと話すことなんてない!」
私はもう………
今さら何も話すことなんてない。



