優人は無表情のまま「いや……」と話を切り出した。



「そうだよな」と喜びかけた竜也の表情が、みるみる強張ってゆく。



「いや……楓馬の言うことにも一理ある。危険人物だからこそ、近くに置いて管理しなければならない。この後の、俺達の自尊心を守るためにも!」



決意したように言い切る優人に、竜也は手を膝に置いてガックリと項垂れた。



「どうなっても知らねーぞ!!」



透き通った青空に、竜也の声が響く。



「2人の許可もおりたし、よろしくな」



太陽みたいな笑顔で、楓馬か私に向かって手を差し出した。



おずおずと伸ばした手を握る楓馬。



大きくて力強い手に、胸がドクドクと脈打った。