『泣いてもいいんだよ』
『バケモノなんかじゃない』
『矢崎さんは、矢崎さんだよ』
あのとき、君がどんな気持ちでそう言ってくれたのか、わたしはなんにもわかっていなかった。
その言葉の意味も、君のことも。
翌日。
今日は目が覚めたときから、清々しい気分だった。
「いいことでもあったのかい?」
朝食を食べていると、おばあちゃんが微笑ましそうに尋ねた。
にやけながら、「うん」と首を縦に振る。
「よかったねぇ」
もう一度、さっきより元気よく頷いた。
あのね。
わたし、友達ができたの。
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