わたしはぼうっとしながらも、ベッドから下りて、学校の支度を始めた。
顔を洗って、ブレザー型の少しダサい制服を身にまとう。
まだ、慣れない。
ここでの日常は。
ここに馴染めていない、自分にも。
「この制服も、着慣れないな……」
いつになったら慣れるんだろう。
そもそも、慣れる日は来るの?
肩まである黒い髪を軽くとかしてから、カバンを持って自分の部屋を出た。
居間に行くと、昔ながらのちゃぶ台においしそうな朝食が並べられていた。
古びたテレビからは、政治家のニュースが流れている。
「莉子ちゃん、おはよう」
目を線にして挨拶してくれたおばあちゃんに、微笑みながら挨拶を返す。



