けれど、わたしのささやかな願いは叶えてをくれなくて。




ピピピピピッ!!


耳元で鳴り響くけたたましい目覚まし音で、いとも簡単に夢は終わりを告げ、現実に引き戻された。



――“ここ”に、お母さんはいない。





「……朝、か」



窓から差し込む朝日が、眩しい。


うまく持ち上げられない瞼をこすりながら、目覚まし音を止めた。



起きなくちゃ。



あくびを一つ漏らして、ゆっくり伸びをした。




なんか、いい夢を見ていた気がする。



なのに、なぜか、胸のあたりがぽっかり空いたみたいに虚しくて。


瞳が、ぼやける。



どんな夢を見てたんだっけ。


思い出せないや。